11月11日は「介護の日」。親の介護が気になり始めたら、家族で先に話しておくことのリストと、相談から介護サービスが始まるまでの流れ
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11月11日は、厚生労働省が決めた「介護の日」です。「いい日、いい日」にかけた語呂合わせで、介護を身近なこととしてとらえ、それぞれの立場で考えてもらうための日とされています。
親の介護はまだ先だけれど、ふと気になり始めた。そんな人に向けた記事です。わが家も、介護のことを家族で話したことは、まだありません。でも、話しておく必要はあるな、と感じています。何から話せばいいのかが分かれば、切り出しやすくなるはずです。
そこでこの記事では、家族で先に話しておくことのリスト(何を・誰と・どこで確かめるか)と、相談から介護サービスが始まるまでの流れを表にしました。数字と制度は、2026年11月5日時点の厚生労働省の案内に書かれていることだけを載せています。介護の進め方や、どの制度が使えるかは家族ごとに違うので、お住まいの市区町村・地域包括支援センター・勤め先に確かめてください。
家族で先に話しておくことのリスト
介護が始まってから調べ始めると、決めることが一度に来るかもしれません。まだ元気なうちに、次のことを「誰と話して、どこで確かめるか」まで決めておくと、いざというときに動きやすくなります。右の列は、厚生労働省の案内に書かれている手がかりです。
| 何を話しておくか | 誰と | どこで確かめるか | 案内に書かれている手がかり(2026年11月5日時点) |
|---|---|---|---|
| 親が住む地域の地域包括支援センターの名前と場所 | 親・きょうだい | 親が住む市区町村の高齢者福祉の担当課、厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」の検索 | すべての市町村に置かれている。市町村ごとに名前が違うこともある |
| 介護保険被保険者証がどこにしまってあるか | 親 | 親の家 | 要介護認定の申請には介護保険被保険者証が要る。40〜64歳の人が申請するときは医療保険証が要る |
| かかりつけのお医者さんがいるか、どこか | 親 | 親と、通っている医療機関 | 申請すると、市区町村が主治医に意見書(主治医意見書)を頼む。主治医がいない場合は、市区町村の指定医の診察が要る |
| 窓口に行く・連絡を受ける役を、家族の誰が受け持つか | きょうだい・自分の配偶者 | 家族で | 要介護認定の申請は、お住まいの市区町村の窓口で |
| 自分の勤め先の介護休業・介護休暇の決まり | 自分(共働きなら配偶者も) | 勤め先の就業規則・人事の窓口 | 介護休業は対象家族1人につき3回、通算93日まで。介護休暇は年5労働日(対象家族が2人以上なら年10労働日)まで |
| 話したことを、どこに書き留めておくか | 家族みんな | 家族で | ― |
いちばん上の2行は、親の家に帰ったときに一緒に確かめられます。被保険者証の置き場所は、本人が分かっていても家族が知らないことがあるので、聞いておくと安心です。かかりつけのお医者さんを確かめるときは、お薬手帳も手がかりになります。使い方は「お薬手帳の上手な使い方」にまとめています。
相談から介護サービスが始まるまでの流れ
介護保険のサービスを使うには、まず要介護認定(要支援認定を含む)を受けます。厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」の解説にある流れを、①〜⑥の表にしました。日数は、案内に書かれているものだけを入れています。
| 流れ | 何をするか | 案内に書かれていること(2026年11月5日時点) |
|---|---|---|
| ①要介護認定の申請 | お住まいの市区町村の窓口で申請する | 申請には介護保険被保険者証が要る。40〜64歳の人(第2号被保険者)は医療保険証が要る |
| ②認定調査・主治医意見書 | 市区町村などの調査員が自宅や施設を訪ねて、心身の状態を聞き取る。市区町村が主治医に意見書を頼む | 主治医がいない場合は、市区町村の指定医の診察が要る。申請者の意見書作成料の自己負担はない |
| ③審査判定 | コンピューターによる一次判定と、介護認定審査会による二次判定 | 一次判定は全国一律の判定方法で行う |
| ④認定 | 市区町村が要介護度を決めて、結果を知らせる | 申請から認定の通知までは原則30日以内。区分は要支援1・2、要介護1〜5の7段階と非該当 |
| ⑤介護(介護予防)サービス計画書の作成 | どのサービスをどう使うかの計画を作る | 要支援1・2は地域包括支援センターに相談。要介護1以上は、ケアマネジャーのいる居宅介護支援事業者に頼む |
| ⑥介護サービスの利用の開始 | 計画にもとづいてサービスを使い始める | ― |
同じ解説では、「非該当」と認定された人でも、市区町村が行っている地域支援事業などで、生活機能を保つためのサービスや生活支援のサービスを使える場合がある、とされています。そのときは、お住まいの市区町村か地域包括支援センターに相談するよう書かれています。
認定には有効期間もあります。案内では、新規・変更の申請は原則6か月(状態に応じて3〜12か月)、更新の申請は原則12か月(状態に応じて3〜48か月)です。
①の申請の前に、まず相談したいときはどうするか。介護予防・日常生活支援総合事業の流れの解説では、まずお住まいの市町村の窓口に相談するように書かれていて、その窓口の多くは地域包括支援センターのことだ、と説明されています。
地域包括支援センターは、どんなところ?
厚生労働省の案内では、地域包括支援センターは市町村が置いている施設で、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員などがいます。高齢の人の暮らしと健康を、まとめて支えるための拠点とされています。
センターの仕事として、厚生労働省の資料には次のようなものが挙げられています。
- 総合相談支援:はじめの段階から続けて相談にのり、地域のいろいろなサービスにつなげる
- 権利擁護:成年後見制度を使いやすくすることや、高齢者虐待への対応など
- 包括的・継続的ケアマネジメント支援:ケアマネジャーへの支援など
- 介護予防ケアマネジメント:要支援の人などが、介護予防のための活動を選んで行えるように支える
資料の連携先の例には、都道府県労働局(介護休業・介護休暇などに関する相談など)も挙がっています。仕事と介護のことも、つながりのある相談先として覚えておけます。
予想してみよう
地域包括支援センターは、ブランチ(支所)も入れると全国に7,374か所。では、ブランチを入れないセンターの数は、いくつ?
答えと解説
5,487か所です(令和7年4月末現在。厚生労働省「地域包括ケアシステム」のページ)。ブランチは、本体のセンターと連携しながら、住んでいる人の身近な所で相談を受け付けて、センターにつなぐ窓口とされています。親の家からいちばん近い窓口がどこかは、市区町村の案内で確かめられます。
働きながら介護する人の制度:介護休業と介護休暇
勤め先の制度は、介護が始まる前に知っておくと、休み方の見通しが立てやすくなります。厚生労働省の介護休業制度のリーフレット(令和8年8月作成)にある内容を、2つ並べました。
| 介護休業 | 介護休暇 | |
|---|---|---|
| 何のための休みか | 介護の体制を整えて、働きながら対応できるようにするために、一定の期間休む(介護サービスの手続きなども含む) | 介護・世話をするための休み(通院の付き添い、ケアマネジャーとの打ち合わせなど) |
| 日数・回数 | 対象家族1人につき3回、通算93日まで | 年5労働日まで(対象家族が2人以上なら年10労働日まで) |
| 取り方 | 分けて取れる(例:30日・30日・33日、または93日を1回) | 1日単位か、時間単位 |
リーフレットでは、介護休業の期間は、自分で介護をするためではなく、仕事と介護を両立できる体制を整えるための準備期間と説明されています。整える体制には、介護サービスの手続きなども含まれるとされています。
対象家族は、配偶者(事実婚を含む)・父母・子・祖父母・兄弟姉妹・孫・配偶者の父母です。対象になるのは、要介護状態(けがや病気、障害で、2週間以上の期間にわたり常に介護が必要な状態)の対象家族を介護する人で、日々雇用の人を除きます。有期雇用の人も一定の要件を満たせば使え、会社によっては労使協定で一部の人を対象外にしている可能性がある、とも書かれています。
また、2025年4月からは、介護に直面したことを申し出た人に、会社が介護休業などの制度を個別に知らせ、使うかどうかの意向を確かめることになっています。自分が使えるか、どう申し出るかは、勤め先の就業規則や人事の窓口で確かめてください。
これはどこに確かめる? 仕分けてみよう
- 市区町村の窓口
- 地域包括支援センター
- 勤め先
要介護認定を申請したい
答えは「市区町村の窓口」。お住まいの市区町村の窓口で申請します。
介護休業を取れるか、どう申し出るか
答えは「勤め先」。会社によって労使協定で対象外の人がいる可能性もあるので、就業規則や人事の窓口で確かめます。
要支援1・2と認定された。サービスの計画を作りたい
答えは「地域包括支援センター」。要支援1・2の介護予防サービス計画書は、センターに相談します。
親が住む地域のセンターの名前が分からない
答えは「市区町村の窓口」。名前が市町村ごとに違うこともあるので、高齢者福祉の担当課などに聞けます。介護サービス情報公表システムでも検索できます。
介護休暇を時間単位で取りたい
答えは「勤め先」。介護休暇は1日単位か時間単位で取れる、とリーフレットにあります。取り方は勤め先で確かめます。
まとめ
親の介護が気になり始めたら、まずは家族で親が住む地域の地域包括支援センター・介護保険被保険者証の置き場所・かかりつけのお医者さん・勤め先の制度を話しておくと、いざというときの最初の一歩が分かります。介護保険のサービスは、市区町村の窓口での要介護認定の申請から始まり、申請から認定の通知までは原則30日以内です。11月11日の「介護の日」を、家族で話すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
※制度・手続き・数字は、厚生労働省の案内(2026年11月5日に確認)によります。どのサービスや制度が使えるか、手続きの細かいところは、人や地域、勤め先によって違います。お住まいの市区町村・地域包括支援センター・勤め先に確かめてください。
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参考にした情報
- 厚生労働省「介護の日・福祉人材確保重点実施期間」(介護の日のねらい・名前の由来。2026年11月5日に確認)
- 厚生労働省「地域包括ケアシステム」(地域包括支援センターの役割・か所数。2026年11月5日に確認)
- 厚生労働省「地域包括支援センターの概要」(PDF。置いている職員・仕事・連携先・ブランチ。2026年11月5日に確認)
- 厚生労働省「認知症に関する相談先」(すべての市町村にあること・名前が違うことがあること。2026年11月5日に確認)
- 厚生労働省 介護サービス情報公表システム「サービス利用までの流れ」(申請から利用開始までの①〜⑥・原則30日以内・有効期間。2026年11月5日に確認)
- 厚生労働省 介護サービス情報公表システム「介護予防・日常生活支援総合事業のサービス利用の流れ」(まず市町村の窓口に相談すること。2026年11月5日に確認)
- 厚生労働省「仕事と介護の両立を応援! 介護休業制度(令和8年8月作成)」(PDF。介護休業・介護休暇・対象家族。2026年11月5日に確認)



