伊勢神宮の神嘗祭(かんなめさい)は10月15日から25日まで。新穀をささげる秋のお祭りの流れと、125の宮社からなる「神宮」の大きさ

2026年10月17日(土)の正午、伊勢神宮の内宮(皇大神宮)では、神嘗祭(かんなめさい)の「奉幣」が行われる予定です。神宮の公式の案内には「令和8年の予定」として、この日の時刻まで載っていました。
ただ、神嘗祭は10月17日だけのお祭りではありません。10月15日に外宮で始まり、16日から内宮へ、さらに25日まで、神宮のあちこちのお社で続きます。どんなお祭りで、どんな順番で進むのか。神宮の公式の案内を2026年10月16日に開いて確かめました。
新穀を、最初に天照大御神へ
神宮の案内によると、神嘗祭はその年に収穫された新穀を最初に天照大御神にささげて、御恵みに感謝するお祭りです。案内のページには「収穫に感謝し新穀を奉る 神宮至高の神事」という見出しがあり、年間1500回に及ぶ神宮の恒例のお祭りの中でも、最も重要なお祭りと書かれています。
中心になるのは「由貴大御饌(ゆきのおおみけ)」と「奉幣(ほうへい)」で、そのほかに興玉神祭・御卜・御神楽などの祭りが行われます。また、6月と12月の月次祭と合わせて「三節祭」と呼ばれ、神宮の年間行事のページでは神宮の最も由緒深い祭典とされています。
明治時代に暦が改められる前は、9月に行われていたそうです。いまは10月15日の興玉神祭から始まります。
同じ10月17日には、皇居でも神嘗祭があります。宮内庁の一覧では、賢所に新穀を供える神恩感謝の祭典で、この朝、天皇陛下は神嘉殿で伊勢の神宮を遙拝されるとあります。名前が似ている11月23日の新嘗祭(にいなめさい)は別のお祭りで、宮内庁が「宮中恒例祭典の中の最も重要なもの」と書いているのは、こちらの新嘗祭のほうです。神宮の案内は、神嘗祭で天照大御神に収穫の感謝をささげ、翌11月に天皇陛下が新嘗祭ですべての神々に収穫を感謝される、という順番で説明しています。
外宮が先、内宮があと。2026年の日程
神宮には「外宮先祭(げくうせんさい)」といって、まず外宮でお祭りを行う習わしがあります。神嘗祭も、外宮で15日から16日にかけて行ったあと、内宮で16日から17日にかけて同じ順に進みます。
| 祭儀 | 外宮(豊受大神宮) | 内宮(皇大神宮) |
|---|---|---|
| 由貴夕大御饌 | 10月15日(木)午後10時 | 10月16日(金)午後10時 |
| 由貴朝大御饌 | 10月16日(金)午前2時 | 10月17日(土)午前2時 |
| 奉幣 | 10月16日(金)正午 | 10月17日(土)正午 |
| 御神楽 | 10月16日(金)午後6時 | 10月17日(土)午後6時 |
年間行事のページの説明では、由貴大御饌は浄闇の中、午後10時と午前2時の二度。神宮神田で清浄に栽培された新穀の御飯・御餅・神酒をはじめ、海の幸、山の幸が供えられます。明くる正午には勅使を迎えて奉幣の儀が行われ、秋の実りへの感謝とともに、皇室の弥栄、五穀の豊穣、国家の隆昌、国民の平安が祈られます。
内宮と外宮の内玉垣には、天皇陛下が皇居の御田で育てられた稲穂が御初穂として懸けられ、全国の農家が奉献した稲穂も並びます。こちらは「懸税(かけちから)」と呼ばれます。
内宮と外宮のあとも、お祭りは終わりません。別宮をはじめ、摂社・末社・所管社に至るすべてのお社で、25日まで神嘗祭が続きます。
町の側でも、神嘗祭を祝う「初穂曳」があります。神宮の案内では、2026年は10月15日(木)に外宮で陸曳き、16日(金)に内宮で川曳き。伊勢市民が奉曳車や初穂舟を仕立て、ハッピ姿に木遣歌で初穂を運び入れます(内宮へは、初穂舟で五十鈴川をさかのぼります)。
神嘗祭につながるお祭りは、春からあります。4月の神田下種祭と9月上旬の抜穂祭は、どちらも神嘗祭に付属するお祭りとされ、9月30日には神嘗祭に先立つ大祓が行われます。
「神宮」は、125の宮社の集まり
初めて伊勢神宮に行ったときは、その壮大さに圧倒されました。あの大きさを数で表すとどうなるのか、神宮の公式の説明を読んでみました。
予想してみよう
内宮と外宮の2つのほかにも、別宮・摂社・末社・所管社があります。全部をふくめた「神宮」の宮社は、いくつ?
答えと解説
125です。内宮と外宮をはじめ、別宮14、摂社43、末社24、所管社42の宮社があり、この125の宮社すべてをふくめて「神宮」といいます(神宮公式「神宮について」)。
「お伊勢さん」「大神宮さん」と呼ばれる伊勢神宮は、正式には「神宮」といいます。内宮(皇大神宮)と外宮(豊受大神宮)を始め、14所の別宮、43所の摂社、24所の末社、42所の所管社があり、これら125の宮社すべてをふくめて「神宮」です。25日まで続く神嘗祭は、内宮と外宮のあと、別宮から所管社までの「すべてのお社」で行われます。
森も広大です。神宮の森は一般に「神宮林」と呼ばれ、内宮のそばを流れる五十鈴川の上流に広がっています。その面積は、伊勢市の4分の1を占めるほどだそうです。
神宮の参拝の案内には、内宮と外宮を合わせると、1年間に700万人を超える方々がお参りされるともありました(何年の数字かは、ページには書かれていません)。外宮から内宮へは、バスやタクシーで約10分と案内されています。
出かけるなら、時間と最新の案内を確かめて
神嘗祭の案内のページには、参拝時間内の祭典は、参道などから見ることができると書かれています。いっぽうで、夜間の参拝停止時間中の祭儀は奉拝できません。10月の参拝時間は、午前5時から午後5時までです。
10月17日の午前2時の由貴朝大御饌(内宮)。参道から奉拝できる?
できません。神宮の案内では、由貴夕大御饌・由貴朝大御饌・御神楽に印が付き、「夜間の参拝停止時間中の祭儀は奉拝できません」とされています。2026年の予定で印がないのは、外宮と内宮の奉幣(どちらも正午)です。
2026年の予定で印が付いていないのは、外宮の奉幣(16日の正午)と内宮の奉幣(17日の正午)です。ただ、どこに立って見られるかまでは、案内には「参道など」以上のことは書かれていませんでした。
神宮の最新情報の一覧に載っている、2026年9月11日付けの神嘗祭のお知らせも開いて確かめました(2026年10月16日に確認)。祭典の日程は、神嘗祭のページにある令和8年の予定と食い違いがありません。お知らせには「参拝停止後の夜間の祭典については、奉拝できません」とあります。交通規制や変更については、このお知らせには書かれていません。出かけるときは、神宮の公式の案内(神嘗祭のページと最新情報)で確かめてください。初穂曳のくわしい時刻や道すじも、この記事では確かめられていません。
春の種まきから始まって、秋に新穀をささげ、125のお社で25日まで続く。神嘗祭は、神宮の大きさそのままの、長いお祭りでした。
※2026年10月16日に、神宮と宮内庁の公式のページで確かめた情報です。祭典の日程や参拝のしかたは、変わることがあります。
参考にした情報
- 神宮「神嘗祭」(令和8年の予定・奉拝についての案内。2026年10月16日に確認)
- 神宮「年間行事 恒例祭典」(2026年10月16日に確認)
- 神宮「年間行事 催し」(初穂曳。2026年10月16日に確認)
- 神宮「神宮について」(2026年10月16日に確認)
- 神宮「神宮の自然」(2026年10月16日に確認)
- 神宮「参拝案内」(参拝時間・参拝者の数。2026年10月16日に確認)
- 神宮「初めての方への参拝の案内」(外宮から内宮への移動。2026年10月16日に確認)
- 神宮「最新情報」(2026年10月16日に確認)
- 神宮「神嘗祭」(2026年9月11日付けのお知らせ。日程・奉拝についての案内。2026年10月16日に確認)
- 宮内庁「主要祭儀一覧」(2026年10月16日に確認)



