10月10日は銭湯の日。町の銭湯(一般公衆浴場)は20年で7,130から2,730に減っていた、という小さな発見

10月10日(土)は「銭湯の日」でした。東京都浴場組合は、この日に都内の銭湯で恒例の「ラベンダー湯まつり」を開くとお知らせしていました。同じ組合のコラムでは、銭湯の日は「語呂合わせで始まった」と紹介されていました。
銭湯といえば、壁いっぱいの富士山の絵とタイル。あの雰囲気が大好きなんです。ただ、最近よく行くのはスーパー銭湯の露天風呂のほう。町の銭湯が減っている、という話はよく聞くけれど、実際どのくらい減っているんだろう? と気になって、国の統計を調べてみました。
まずは予想:20年でいくつになった?
厚生労働省の「衛生行政報告例」では、町の銭湯にあたる浴場を「一般公衆浴場」として数えています(どんな浴場がここに入るかは、あとで説明します)。2004年度末には、全国に7,130ありました。
予想してみよう
2004年度末に7,130か所あった一般公衆浴場。20年後の2024年度末は、いくつになった?
答えと解説
2,730か所です(厚生労働省「衛生行政報告例」、2024年度末)。2014年度末は4,293か所でした。
答えは2,730。2004年度末の7,130との差を計算すると、20年で4,400か所減っていました。2020年度末からの数を並べると、毎年100か所以上ずつ減っていて、2024年度は前の年度より117か所(4.1%)少なくなっています。
もっと長い目で見ると
国の統計とは別に、業界団体の数字もあります。それを紹介した東京商工リサーチの記事(2026年6月6日)は、2026年4月時点の銭湯は全国で1,493軒、いちばん多かった1968年の1万7,999軒から9割減ったと伝えています。数え方や時点が違うので、上の統計の数とは一致しませんが、半世紀あまりで大きく減ったことがわかります。
東京都の資料でも、都内の浴場は1968年(昭和43年)の2,687軒が戦後でいちばん多く、2023年(令和5年)は444軒でした(どちらも12月末の数)。
統計の「一般公衆浴場」と「その他」
じつは「衛生行政報告例」の公衆浴場の数を全部足すと、2024年度末で2万3,668もあります。そのうち一般公衆浴場は2,730で、残りの2万938は「その他」に数えられています。
分かれ目は料金と場所の決まりです。統計の用語の説明によると、一般公衆浴場は、入浴料金が都道府県知事の統制を受け、しかも施設の配置が都道府県の条例で規制されている浴場のこと。これに当たらない浴場は「その他」に入ります。
では、私がよく行くスーパー銭湯はどちらに数えられているのか。そこが知りたかったのですが、「スーパー銭湯はその他に入る」とはっきり書いた公的な説明は、見つけられませんでした。言えるのは、料金の統制を受けていない浴場は「一般公衆浴場」には入らない、というところまでです。
銭湯の料金の上限は、知事が決めている
一般公衆浴場(いわゆる銭湯)の入浴料金は、物価統制令にもとづいて、都道府県知事が上限の額(統制額)を決めています。大阪府の案内にもそう書かれていて、国の省令(公衆浴場入浴料金の統制額の指定等に関する省令)がそのしくみを定めています。
東京都では、2026年7月21日に新しい統制額が発表され、2026年8月1日から大人は600円になりました。
| 区分 | 東京都の統制額(2026年8月1日から) |
|---|---|
| 大人(12歳以上) | 600円(それまでは550円) |
| 中人(6歳以上12歳未満) | 200円(変わらず) |
| 小人(6歳未満) | 100円(変わらず) |
統制額は入浴料金の「上限」です。ほかの道府県の額は、それぞれの道府県の知事が決めています。
あの壁の絵は、1912年の神田から
最後に、私の好きな壁の絵の話を少しだけ。千代田区の「まちの記憶保存プレート」によると、神田猿楽町の銭湯「キカイ湯」で、1912年に浴室の壁へ初めてペンキ絵が描かれました。プレートの説明は「以降、各地の銭湯絵の定番となった」と続きます。
そのとき最初に描かれたのが何の絵だったのかまでは、このページには書かれていませんでした。100年以上前の神田の一軒から始まった壁の絵が、いまも湯船の向こうにある。そう思うと、ちょっと見方が変わります。
まとめ
町の銭湯にあたる「一般公衆浴場」は、2004年度末の7,130から、2024年度末には2,730まで減っていました。統計では、料金が知事の統制を受ける浴場だけがここに数えられ、それ以外は「その他」に入ります。東京都の大人の料金の上限は、2026年8月から600円です。
10月10日の銭湯の日は過ぎましたが、富士山の絵の下で、ゆっくりお湯につかってみるのはいかがでしょうか?
※2026年10月8日時点の情報です。料金や営業のようすは銭湯ごとに違うため、出かける前にそれぞれの銭湯の案内で確かめてください。
参考にした情報
- 東京都浴場組合 銭湯の日のラベンダー湯まつりのお知らせ(2026年9月16日)
- 東京都浴場組合 銭湯の日についてのコラム(2024年9月30日)
- 厚生労働省 令和6年度 衛生行政報告例の結果(生活衛生関係、PDF)
- 厚生労働省 平成26年度 衛生行政報告例の結果(生活衛生関係、PDF)
- 厚生労働省 平成16年度 衛生行政報告例の結果(生活衛生関係)
- 厚生労働省 衛生行政報告例の用語の解説(PDF)
- 東京商工リサーチ 銭湯(一般公衆浴場業)の数についての記事(2026年6月6日)
- 東京都 生活文化局 都内の浴場数の推移の資料(PDF)
- 大阪府 一般公衆浴場の入浴料金の案内
- 厚生労働省「公衆浴場入浴料金の統制額の指定等に関する省令」
- 東京都 公衆浴場の入浴料金統制額の指定の報道発表(2026年7月21日)
- 千代田区「まちの記憶保存プレート 銭湯に初のペンキ絵」



