10月13日はさつまいもの日。「十三里」の13には、栗の語呂合わせと江戸から川越までの距離という2つの説があった、という小さな発見

10月13日(火)は「さつまいもの日」です。ウェザーニュースの記事によると、この日は1987年に「川越いも友の会」が制定しました。

なぜ10月の13日なのか。記事の説明では、13日はさつまいもの呼び名「十三里」から、10月はさつまいもが出回る時期から取っています。では、その「十三里」はどこから来たのか。調べてみると、説は1つではありませんでした。

「十三里」には2つの説

同じ記事は、十三里の由来として次の2つを紹介しています。どちらが正しいとは決めていません。

説1:「栗より」うまい、の語呂合わせ

江戸時代の後期、焼き芋の売り文句は「八里半(はちりはん)」でした。それが一気に「十三里」に格上げされた、という流れです。記事の言葉では、さつまいもは「クリよりうまい」としゃれたもので、「九里四里うまい」、つまり「九+四=十三」というわけです。

考えてみよう

「栗より うまい」を、数の「里」に置きかえると、いくつ?

答え

十三里。栗を「九里(くり)」、より を「四里(より)」と読んで、九+四=十三。だから「十三里」は「栗よりうまい」のしゃれ、という説です。

説2:日本橋から川越までの距離

記事は「別の説もあるようです」として、もう1つを挙げています。五街道の起点だった江戸の日本橋から、さつまいもの産地として知られていた川越(いまの埼玉県川越市)までの距離が、およそ十三里(約51km)だったから「十三里」と呼ばれるようになった、という説です。

言葉遊びと道のり。まったく違う2つの説ですが、記事は「いずれであっても」13日は十三里から、とまとめています。ちなみに、さつまいもの日を決めたのも、説2に出てくる川越の会でした。

いま、たくさんとれる県は?

では、いまのさつまいもの産地はどこなのか。農林水産省の作物統計では、さつまいもは「かんしょ」という名前で数えられています。

令和7年産(2025年産)の全国の収穫量は69万9,400tで、前年産に比べて1万7,600t(2%)減りました(2026年2月3日公表)。都道府県別の確報(2026年6月30日掲載)で、収穫量の多い順に並べると次のとおりです。

順位県令和7年産の収穫量
1鹿児島21万9,000t
2茨城19万5,500t
3千葉8万t
4宮崎6万9,500t
5徳島2万5,400t

ひとつ注意があります。令和7年産の調査は主な産地の県だけを対象にしていて、確報の表で数字があるのは、上の5県に熊本(1万7,700t)を加えた6県だけでした。ほかの都道府県の欄は「…」(調べていない)です。つまりこの順位は、調べた主産県の中での順位です。

十三里の説2に出てくる川越のある埼玉県も、この表では「…」でした。説2の川越と、いまの統計の主な産地は、別の県だったわけです。

家での保存は「冷蔵庫に入れない」

農林水産省のこども向けのページでは、さつまいもは土を落とさず、そのまま13~15℃の温度で貯蔵すると説明されています。産地で出荷まで貯蔵するときは、温度13~15℃、湿度80~90%に保つそうです。

産地のJAの案内も、同じ温度を挙げています。JAなめがた(茨城県)の保存方法のページは「絶対に冷蔵庫に入れてはいけません!」と書き、同じJAの資料(茨城県農業総合センターなどの監修)には、5℃以下ではすぐに腐り、18℃以上で保存すると芽が出てしまうとあります。

置き場所が何℃だと、さつまいもはどうなる?

  1. 5℃以下:すぐに腐ってしまうとされる温度です(JAなめがたの資料)。
  2. 13~15℃:さつまいもを貯蔵するのにちょうどよい温度です(農林水産省・JAなめがた)。
  3. 18℃以上:保存すると芽が出てしまうとされる温度です(JAなめがたの資料)。

温度の帯は、この記事で紹介した出典に書かれた値だけです。選んだ温度はどこにも送りません。

では家ではどこに置くか。JAなめがたの資料は1個ずつ新聞紙に包み、段ボールに入れて台所の片隅などに置くと長持ちするとしています。JA堺市の案内も、冷蔵庫には入れずに、風通しのよい冷暗所で、段ボール箱や紙袋などに入れて立てて保存する方法を紹介しています。

家で焼き芋を焼くなら

焼き芋が甘くなるしくみについて、JAなめがたの資料は、アミラーゼという酵素がはたらく70℃程度の温度を長い時間保つことでおいしくなる、と説明しています。農研機構の発表でも、加熱の時間を長くして、でんぷんを糖に変える酵素をよくはたらかせるなど、焼き方の工夫が要るとされています。

家での焼き方は、出典によってかなり違いました。

出典焼き方
JAなめがたの資料(オーブン)200~250℃にして、20~30分加熱
JAなめがたの資料(電子レンジ)300g程度のものを2つに切り、新聞紙かラップで包んで、強で7~8分程度
JA里浦の販売サイトのブログ(オーブン)予熱なしの160℃で30分 → そのまま90分置く → もう一度予熱せずに160℃で30~60分ほど

同じオーブンでも、高い温度で短く焼く方法と、低めの温度で時間をかける方法があるわけです。どの焼き方が「70℃程度を長く保つ」に当たるのかまでは、資料には書かれていませんでした。どの方法でも、オーブンや電子レンジの使い方は、それぞれの取扱説明書に従ってください。

まとめ

10月13日のさつまいもの日は、1987年に川越いも友の会が決めた日。13の「十三里」には、「九里+四里=十三里(栗よりうまい)」の語呂合わせと、日本橋から川越までおよそ十三里という距離の2つの説がありました。いまの統計の主な産地は鹿児島・茨城・千葉など。家での保存は冷蔵庫に入れず、貯蔵の適温は13~15℃、と農林水産省や産地のJAなどが案内しています。

十三里の2つの説、どちらの話のほうが楽しく感じましたか? 焼き芋を食べながら、家族で話してみるのもよさそうです。

※2026年10月12日に出典を確かめた時点の情報です。保存や加熱のしかたは出典ごとの案内で、いもの大きさや機器によって変わります。

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